函館出身の画家岩船修三(1908〜1989)の戦争画が新たに見つかったという記事が、道新一面トップ。1943年のアッツ島玉砕を題材にした『山崎部隊アッツ島玉砕決意』。全滅する直前の旧日本軍の兵士が暗く、荒いタッチで描写されている。函館護国神社に保管されているのを、道立函館美術館の田村允英学芸員が2022年に発見した。戦時中の新聞に、旭川の第七師団に献納されたことは知られていた。東京国立近代美術館にある藤田嗣治の『アッツ島玉砕』より大きい縦190cm、横280cmで、現存する戦争画で最大とのこと。アッツ島玉砕では、戦死者2638人のうち864人が道内出身者だったため、陸軍省か第七師団が岩船に制作を依頼したと見られている。岩船が第七師団報道部に配属されたのは、この絵の制作のためだったのか。十数人の兵士が並んでいるこの構図をどのようにして選んだのか、描いたのかに興味がわく。
朝日新聞朝刊《日曜に想う》は、編集委員の吉田純子があらためての小澤征爾追悼。有名な「N響事件」にも言及している。結びはメゾソプラノのワルトラウト・マイヤーのこの言葉。〈己の心で決断し、道を選びとることが、人生においては最も大切です。終わることも、始まることと同じくらい素晴らしいことなのです〉
岩船修三の戦争画
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