中村和恵の《考えるピント》は、2月20日の同欄で武田砂鉄が書いた「「句読点怖がる」言説に思う」を受けての原稿。〈変化していく現在に自分の未来を見いだす人と、過去に安らぎを見いだす人は、求めるものが違う〉と述べ、自分なりのやり方を貫く宣言をしている。〈異なるものが異なるままに、同じ時代に隣人として存在する、そのやりかたを、お互いに学べるはずだと考えるから。多くの民が、また動物たちがそうしてきたように〉。複数の論者による多角的な現代社会論は興味深い。
道新カルチャー面では、漫画『セクシー田中さん』の芦原妃名子が自殺した問題の背景を論じている。日本テレビのドラマが、原作の意図を正しく反映しなかった経緯があり、SNSが炎上したため作者が心を痛めた、ともみられている。原作改変が制作側と作者の間で問題になり、作者が終盤の脚本を担当せざるを得なかった。上智大の音好宏教授は「テレビドラマには、さまざまな意向を反映した妥協の産物、という側面がある」とし、番組関係者の調整能力の欠如を問題視する。対策として、契約の明文化や弁護士の代理人を立てることなどを識者が提言している。
句読点問題を多角的に
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